令和2年11月8日 武蔵川親方


大相撲のファンだけではなく、「武蔵丸」という名前を憶えている方は多いのではないでしょうか。
明治維新の時に活躍した、西郷隆盛に風貌が似ており、われわれ日本人にとってみると、親近感を覚えるお相撲さんでした。
 今は帰化して日本人であり、また親方として若いお相撲さんたちを指導しています。
武蔵丸関が引退するときに話したことの一つに、ハイスクール時代にフットボールをしていて、首を怪我したそうで、相撲の世界に入るとき、自分の部屋の親方にもその事は話さなかった、そして今日まで、誰一人にも話したことはない、今日初めて話した、と言っていました。 立ち合いで頭から当たらなかったのはそのためである、と。
 武蔵丸関が、頭から当たらないことを、批判的に言う解説者もいました。
武蔵丸関が首のけがの話をしたとき、相当の決意、そして覚悟をもって相撲の世界に入った、そういうものがすごく伝わってきたことを、今でもはっきりと覚えています。
 武蔵丸関は日本に来て、日本の文化だけではなく、相撲の歴史や、横綱が綱を締める意味など、深く勉強したと思います。
横綱白鵬関が、場所の終盤で連敗したとき、優勝の可能性がなくなると、古傷が悪化したということで、場所の途中で休場することが、今まで何度もありました。
相撲関係者の多くは、そのことに意見をする人が少ないように感じますが、武蔵川親方は、怪我をして土俵を務めれないのなら、相撲をやめるべきだとはっきりと言います。
厳しく相撲に対してきた人間だからこそ、言いたいのでしょう。
 プロ野球の世界でも、外国から来た選手の中には、「野球はビジネスだ」と言って、少しでも多くの給料を払ってくれる球団に、簡単に移籍する選手がいます。
そういう選手から、魅力を感じないのは私だけでしょうか?
プロスポーツは、ファンの存在があって初めて成り立つものだと、全く理解していません。
ファンがいなくなったら、高い給料をもらうことは出来なくなります。
風貌だけでなく、武蔵川親方には、人間として魅力を感じます。