令和3年12月12日  ベン ホーガン


 アメリカ テキサス州で、1912年に生まれたプロゴルファーです。1930年代から1950年代に活躍し、4つのメジャータイトルをすべて掌中にしています。私がベン ホーガンに強いあこがれをもつのは、プロゴルファーとしての「振る舞い」です。
 彼は、2度の大きな交通事故にあい、そのせいか乗り物嫌いで、当代1のプロゴルファーと言われていても、アメリカ以外の国でプレーすることはずっとありませんでした。しかし、1956年、イギリスのウエントワースカントリークラブで行われたカナダカップ(現在のワールドカップ)にアメリカ代表として、サム スニードと組んで、個人、団体と優勝して、次のスピーチを行ったのです。

 まず第一に、私から顔がはっきり見えないほど遠くに立っておられる皆様、あなた方こそわざわざお金を払って見に来てくださった方々です。私はそのような方々にこそ"ありがとう"とお礼を申し上げたい。そして私はこの試合であなた方が期待し、見たいと思いになったプレーを見せることができました。それが何よりも嬉しく感じられます。

 当代一のプロゴルファーを見るために、ヨーロッパ中からゴルフの好きなファンが多く集まったといわれ、またホーガンのスピーチを見るために、クラブハウスから離れた木の上で見ていたギャラリーを多くいたそうです。大会の関係者や、スポンサーではなく、そのようなギャラリーを大事にしているその姿勢、そして、試合に勝った、負けただけではなく、皆さんが見たいと思っているプレーをお見せすることができた、それがうれしいという事を言うプロゴルファーが、今後現れるのでしょうか?、真のプロフェッショナルとは、このような人物の事を言うのでしょう。
 賞金額の大きさが話題になり、また有名人ぶることが、プロゴルファーの成功の証と考えている人とは、一線を画した存在です。私が、ベン・ホーガンに強く惹かれるところです。